「バーンアウトシンドロームだったんです。その苦しみから解放されるためにマンガに集中します」と宣言して2年半ほど経過しました。
あれからどうなったのかお話ししようと思います。
外見的に変わったことは
顔の吹き出物が出なくなり、
正体不明のアレルギー反応による顔の肌荒れ(医者の診断による)に苦しむことがなくなりました。
フリーランスのデザイナーとして仕事を始めてから顔に吹き出物ができはじめて、それからずっと慢性的に吹き出物が出てくる状態で、皮膚科に通っても高価な化粧品を使っても収まることはありませんでした。
それが、出なくなりました。
顔肌の状態が良くなったのには、話せば長くなる経緯があるのですが、大きく変わったことのひとつです。
酒を飲まないでも眠れるようになった
酒を飲むから眠れなかったんじゃないか、と突っ込まれそうですね。
何も考えられなくなるまで飲まないとやってられない、という状態ではなくなったと言った方がいいかもしれません。
今思えば、考えるのを止めないとやってられない仕事なんて早々に止めちまえばよかったんですが、他人に選んでもらって、気に入ってもらってなんぼの仕事というのはそういう正常な感覚を麻痺させてしまいます。
私のデザインがうまくいけばいくほど、周囲の人も豊かになっていったし・・・
苦しいと言えば、チームのスタッフから『自分だって苦しい返し』されるし・・・苦しんでいる様子を聞いたら、相手の苦しみを和らげるためにもがんばらなきゃってなるし・・・
営業は営業で苦しいし、あのデザイナーはあのデザイナーで苦しい。あのイラストレーターだって何度もダメだしされて描き直してる・・・
クリエイターの現場に居ると、やりたい仕事をやっているんだから、苦しみがどうこう以前に疑問を覚える事自体がおかしい、みたいな感覚になっていくんですよ。
それで、疑問を湧かせないように、飲んで飲んで飲みまくって何も考えない状態にして気絶するように寝るようになっていったのでした。
今はお酒を飲まなくてもぐっすり眠れます。
今、ライフワークにしているマンガは自分以外の誰も利益共有者がいない事をいいことに、無理をしないですむペースで描き進めています。
たまに、うちで描きませんかと誘いの声がかかりますが、もう誰かの利益のために無理をする気はありません。
デザインでずっと無理してきたから、同じ轍は踏まないように意識してやっています。
友人には全然バレてなかった
仕事をやめて1年以上経って、ようやく友人らに「バーンアウトシンドロームだったんだよ」と伝えましたが・・・見事なまでに誰にも苦しんでいることがバレていませんでした。
学生時代にはお酒もタバコも嫌っていた私が、右手にビール、左手にタバコを持っていないとその場を楽しめない状態になっているっていうのに、誰にも苦しんでいることがバレていませんでした。
バレていないという表現をしましたが、バレていなかったのは友人らが鈍い訳ではなくて、私が『苦しんでますトーク』をしなかったからなのです。
私自身が苦しんでいると自覚していなかったから・・・というか、苦しいと自覚したら終わりだみたいに感じていたから、苦しんでいる話をするわけがなかったのでした。
話を聞いた友人は「アンタもがんばってるって思って、自分もがんばってきたから・・・」と複雑そうな顔をしていました。
生まれた子供に持病があったり、乳がんになって入退院を繰り返したり、妊娠中に夫が浮気したり、愛し合っている旦那さんの子供が欲しいのにできなかったり・・・友人らの苦しみに比べたら、好きな仕事をしている自分の状態なんて苦しみじゃないって心の底から思っていました。
今でも、彼女らの苦しみに比べたら、自分でコントロールできる私の状況は苦しいと嘆くことじゃないと思っています。逃げるなり変えるなりすればいいのですから・・・
マンガの事ばっかり考えられる喜びを実感・継続中
ありがたいことに『マンガのことだけ考える生活』3年目を迎えています。
月収入は20代前半一般職の給与ほどで推移しています。
具体的な数字を出さないのは、地方によってお金の価値が違うからです。名古屋に住んでいる私にとって、どのくらいの生活ができるくらいの価値(金額)か、が重要なので、今後も具体的な数字は出さないと思います。
お金のことはさておき、2021年の春から、ずっと取り組みたかった『植物を育てる生活』を始めました。
買ってきたものを飾るんじゃなくて、植物ごとにどんなコかちゃんと分かったうえで育てたかったんです。
園芸店に出掛けては、心の赴くままに苗を買ってきたのですが、気がつくとベランダはハーブでいっぱいになっていました。
苗を買うだけではなくて、すでに部屋に居たウンベラータをえいや!と剪定したり・・・
新芽が出てきた時は飛び跳ねんばかりに嬉しかったです。
唐辛子のハラペーニョにも挑戦したら・・・
でっかい実がついたので、美味しくいただきました。
植物は、こちらが的確に世話してあげるとむくむく育ちます。
青々と茂る様子を観ていると、傷ついた脳みそが癒えていくようです。実際、キューとなっていた脳みそがほぐれるような感覚があるので、ほんとうに癒えているのかもしれません(^^)
自殺するイメージが湧かなくなった
聞く方にとってはホラーでしかないかもしれませんが、バーンアウトシンドロームの最中は、できるだけバルコニーに出ないようにしていました。
バルコニーに出ないようにしていたのは「次こそ飛びたいという衝動を抑えきれないかもしれない」と本気で怖がっていたからです。
植物を育て始めた当初もまだバルコニーに出るのが恐かったのですが、植物達がふさふさと育っていくにつれて恐怖心が薄れていきました。
今は明確に自殺したいという衝動は無くなったと言い切れます。
バルコニーに出るのも恐くないし、飛び降りるイメージも湧きません。
解放されたー!!って感じています。
『お部長と平田』も佳境に突入
ライフワークとして描き続けてきた『お部長と平田』も8巻が配信され、物語は佳境に突入しました。
物語の最後まで、できるだけ多くの読者に楽しんでいただけるようにがんばります。
最後に読者の貴女様の暖かいエールに心から感謝を!
漫画のことだけ考えられるのは読者の貴女様あってこそです(o^^o)