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バーンアウトシンドロームからの解放【1年後】

「バーンアウトシンドロームだったんです。その苦しみから解放されるためにマンガに集中します」と宣言して1年ほど経過しました。
あれからどうなったのかお話ししようと思います。

外見的に変わったことは

笑顔が増えました。
なんでもない事でよく笑うようになりました。
バーンアウトシンドローム真っ最中は怖い顔・・・もしくは取り繕ったデスマスク笑顔のような顔をしていたんでしょうね。マンションやジムで人とすれ違っても怖いものを観るような顔をして目そらされることが多かったのですが、最近は相手から先に、しかも、笑顔で挨拶されることが増えました。
それだけ私が自然で穏やかな表情をするようになったのだと思います。

責められる夢を観なくなった

バーンアウトシンドローム真っ最中は睡眠中はもちろん、考え事をしていてもふっと誰かに責められる妄想(白昼夢)をよく観ました。
今はそれがありません。
自分を責めてくる妄想が出ないので、それを吹き飛ばすために怒りを湧かすこともしなくなりました。
今思えば、誰かに責められる妄想が頻繁に出るというのはかなりやばい状態だったと分かります。ドラマ『クリミナルマインド』の妄想状態の犯罪者のようです。
・・・よかった誰も傷つけないで・・・ほんっとーによかった・・・

方向違いに嘆いていたことに気付いた

「ここからは自分のマンガだけ描きます」と仕事を断る直前の私は「もう自分なんかどうでもいいや」と思うようになっていました。
誰も彼も私がライフワークで描いているマンガを無視する。私のマンガがどうなろうと知ったこっちゃないんだ。そんなにどうでもいいことをやってる私なんか死ねばいいんだ・・・こんな思考回路に陥っていました。

私の仕事相手は私にデザインを形にしたり絵を描いて欲しいわけで、私がライフワークのマンガを描かない方が彼らの仕事ははかどるわけで、彼らの経済活動からして私のライフワークを無視するのは当たり前なのですが、バーンアウトシンドローム真っ最中の私は心の底からそのことを嘆いていました。

私は方向違いの期待を抱いていたわけです。

「続き読みたい」とおっしゃってくださる読者の声こそが全てなのに、私はそれを言わないことがあたり前な人達に向かって「もっと描いて、続きを読みたい」と言ってもらいたがっていたのでした。

己の描きたいマンガだけに集中できるようにして、もうそれしか評価されない状態になって、ようやく深く心の底まで好意的なレビューや応援の声が入ってくるようになりました。

なぜ、方向違いに期待を抱いていたのかも分かりました。

それは収入金額のせいでした。
デザイン仕事はマンガよりケタ違いに収入がありました。
収入があればそれは評価されていることになります。

デザイン仕事はマンガよりケタ違いに収入がある、ということは、逆を言えば、マンガを描くことはデザインするよりもケタ違いに価値がないことになりました。

そう・・・私はずっと金額的価値という物差しに苦しんでいたのです。

デザインの仕事を受注しなくなって自分のライフワークのマンガ以外に収入源がなくなったことで・・・なんということか! この苦しみから解放されました。

創ったものをお金に換えていくクリエイター生活が長かったこともあり、「今やっていることは金銭的に価値がある事か」「今作っているこれは、いくらの金に換えられるものか」ということを常に考えるくせが付いていたのですが、今はそんなことどうでもよくなりました。
もっと読者を楽しませたい、驚かせたい、面白くしたい・・・それ以外はどうでもいいわ!と、ストーリーを考えることに集中できるようになりました。

マンガのことばっかり考えられる喜びを実感中

収入がデザイナー時代の半分以下になったので会計士には呆れられていますが、「貧しくて食べるのにも困ったらそれをネタにマンガを描けばいいや」ってくらいに前向きに、いいプレッシャーの中、充実した日々を送っています。

最近は、YouTube で肩こりにきくヨガを探してやってます。

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